" お月様
お月様にお願い! 

2 私、狼になります!

 シェリーは、崖の上に腰を下ろした。森を渡ってくる風が心地よい。風が髪の間をすり抜けてゆく。眼下には波打つように揺れ動く深緑の森が広がっていた。
 さしかかる太陽の色はすでに赤みを帯びていて、どことなく物寂しい。
 ずいぶん、遠くまで歩いてきてしまった……
 ためいきをつく。
 みんなにもらった布きれを接ぎ合わせて作ったキルトで内張したバスケットは、木の実や果実、自生のツチイモ、それから一週間に1回ぐらいしか取りに行けないけれど、甘い樹液を出すハチミツカエデの木から回収したシロップなどでいっぱいになっていた。
 シロップは甘くておいしいけれど、きちんと瓶に入れて蓋をしておかないと、すぐにハチやありんこたちが匂いをかぎつけ、真っ黒にたかってしまう。せっかく手に入れたのに、そんな悲しいことになってはがっかりだ。
 でも、これだけの分量があれば、大食漢のルロイが食べてもまだおすそわけできるぐらいのベリージャムや、ほかほかのミートパイを作ってあげられる。甘い物好きなロギおばあさんに持って行ってあげたら、きっと喜んでくれるだろう。
 シェリーは、おばあさんの喜ぶ顔を想像し、なんだか嬉しくなって口元をほころばせた。もしかしたら、くしゃくしゃな顔をなおいっそうくしゃくしゃにして、ありがとうね、おじょうちゃん、と言ってくれるかもしれない。そんなちょっとしたひとことが、シェリーには嬉しかった。つい、頬をあからめる。
 かごの中は、ほかにもいっぱい、いろいろなものが入っている。布を染めたり、バルバロのお祭りでタトゥーを入れたりするのに使われている葉っぱや草の根も、頑張って見つけ出していた。バルバロの女の子たちは、みんないつも毛皮や革の上着を着ているけれど、もし、この染料を使ってうまく糸や織物を染めることができたら、ごわごわした毛織物だけじゃなく、もっと柔らかくて薄手の服を縫えたり、目の覚めるような赤い色に染めたりもできるだろう。
 新しい生活について、いろいろと考えてみるのは楽しかった。
 今度、ルロイに頼んで野生のヤギを生きたまま捕まえてもらおう。放し飼いにしたら育つ前に村のみんなが食べてしまうだろうから、その前に木ぎれを集めて、囲いを作って、お乳を出してもらうのだ。そうすればチーズを作ることができる。きっとみんな喜ぶだろう。他にも、いろいろ飼えそうな動物がいるはずだ。ヤギの次は何がいいだろう? 羊? 鶏? でも、森に、野生の羊なんているのかしら……? 羊毛を刈り取るはさみはあるのかしら……?
 薄雲に覆われた西の空全体が、真っ赤に燃え上がっていた。夕日が森の向こう側へと沈んでゆく。透き通って、まぶしい。熔け落ちてゆきそうな紅色だった。
 今日一日、歩きづめに歩いて、足が棒のようになっている。くたくただ。すっかり疲れ果ててしまって、もう、一歩も動きたくない。早く帰らないと、夜道に迷ってしまう。そう思いはするものの、腰が重くて、足が痛くて、どうしても立ち上がれない。
 あの夕日の向こうに、人間の国がある。
 今はもう、自分の国ではなくなってしまった。シェリーが大きくなるまで、という約束で、先代の女王だったおばあさまから王位を譲られたお父様は、シェリーの実の母である王妃が亡くなったあと、すぐに新しい王妃様を娶られた。新しい王妃様との間にはまだお子様はいらっしゃらない。でも、そのころからだ、城の中が、おばあさま派と、王妃様派に分かれて、いがみ合うようになったのは。
 だからこそ、なのかもしれない。次の女王となることを認められた王家の血筋は、シェリーを除いてはまだ、誰もいない。
 ふと、懐かしい友だちの顔が思い浮かんだ。
 宮廷に侍女として上がってくるのは同じ年頃の娘ばかりとも限らない。そのなかでたったひとり、シェリーと同い年の女の子がいた。ユヴァンジェリン・クレイドだ。最初は新しい王妃の侍女として宮廷に上がってきたのだが、やがておばあさまの弟であるマール公に見初められ、結婚し、王族の一人となって──シェリーを守ってくれるようになった。大切な友だちだ。
(宮廷の雰囲気がこんなにも悪くなったのは、王妃様が何か悪いことを企んでいるせいですわ)
 何度もそう忠告してくれた。でも、信じなかった。そんなことなどあるわけがないと思っていた。
 よもや、国民全員に慕われているおばあさまに手を掛けるような悪人はいないはずだが、今となっては、心配で、心配でたまらなかった。ただでさえ退位してからは肩身の狭い思いをされていただろうに、唯一、血をひいた直系の孫である自分が、行方不明になってしまったのだから。きっとがっかりなさっておいでだろう。おばあさまを守れるのはわたしだけだったのに。もっとしっかりして、城内の不穏な空気にも目を光らせていなければならなかったのに。
 ぽつん、と涙がこぼれた。
 ずっと、何も、知らずにいた。
 いつまでも、幸せな日々が続くと信じていた。
 人任せに生きてきて、人任せに捨てられて。ルロイに助けられて、ルロイに愛されて──
 幸せだけれど、幸せじゃなかった。ただ、与えられただけの立場を、暮らしを、甘受していただけだった。何も知らず、何も考えず、いつまでもそんな日々が続くと思い込んでいただけだった。
「帰らなくちゃ」
 シェリーは誰にともなくつぶやいた。
 でも、いったい、どこへ、帰ればいいのだろう……
 膝を覆うワンピースの生地を、シェリーはぎゅっと掴んだ。くしゃくしゃにしわが寄る。涙がにじんだ。かまわずに、もっと、すがるようにして握りしめる。そうしていないと、涙がこぼれそうだった。
 風が吹いて。夕日がますます燃え上がるようなあかね色に変わって。
 シェリーの金髪を、燃えるような朱色に染めた。
「帰らなくちゃ」
 シェリーは、遙かな人間の国を見つめた。西日の向こうを。
 そのとき、背後の茂みが、がさりと鳴った。どきっとする。シェリーは振り返った。
「……ルロイさん?」
 シェリーはあわてて涙をぬぐい、かごを抱いて立ち上がった。スカートについた草と一緒に気鬱めいた気持ちを振り払う。こんな泣き顔見られでもしたら、ルロイを困らせるだけだ。つとめてけなげで明るい表情を作り直す。
「ごめんなさい、随分遠くまで来ちゃって……もっと早く戻るつもりだったんですけど……」
 藪を乱暴にかき分けながら誰かが近づいてくる。返事はない。シェリーはなぜかぞくりとした。心許なく手を握り、胸元へ押し当てる。
「ルロイさん……じゃない……?」
 森の奥を見透かすようにして、うかがう。荒々しく枯れ木を踏み荒らす足音が聞こえた。暗い影が近づいてくる。光るものが見えた。
「こんなところにいらっしゃったのですか」
 夕日が森の奥に差し込んだ。きらめきが散る。光っていたのは、騎士の剣だった。
 真っ白な軍服を長くなびかせ、ぞっとするほどきらびやかな、まっすぐな鋼の刃を手にして、一気に近づいてくる。
 シェリーは後ずさった。手にしたかごが、転がり落ちる。中に入っていた色とりどりの果物が、まき散らされた。
 シェリーと同じ、金色の髪。
 シェリーと同じ、白い肌。
 シェリーと同じ、青い瞳。
 だが、それだけ同じでありながら、男の眼はルロイがシェリーを見るときの人なつこい黒い瞳とはまるで違う、ぞっとする酷薄な光を帯びていた。
「お探し申し上げておりました、王女」
 冷ややかな、手にした剣の放つ光と同じ、氷のような声。剣を収めようともせず、その男は口を開いた。手を差し伸べる。
「……だれ……?」
 シェリーは、真っ青な顔でよろめいた。声がふるえて、うまく、口にできなかった。恐ろしさで口の中がからからになる。舌が下あごに貼り付いたようになって、息もできない。背中に氷のつららを突き刺されたような心地がした。
「ヘイトリング伯、ルドベルクと申します。お初にお目にかかります」
「なぜ、ここにいるの……?」
 シェリーは何とかして、平静を装おうとした。
「なぜ?」
 貴族はうっすらと笑った。
「貴女をお捜ししていたに決まっているでしょう……? 無法者どもによって城から攫われ、行方不明になっていた貴女を……この私が英雄的冒険の末にお助け申し上げ、凱旋するためにね!」
「あなたが……?」
 シェリーは、ふいにすべてを理解した。
「……まさか……」
 はっとする。喉の奥に詰まった恐怖が、悲鳴になってほとばしり出かける。
「随分、無駄に探し回りましたよ……さあ、こちらへ、姫。そのような薄汚い服は脱ぎ捨てて」
 目の前にいるこの貴族がきっと、シェリーを森へ捨てた実行犯なのだ。
「触らないで」
 シェリーは唇を噛んで貴族の手を払いのけた。必死に強がろうとしてみる。しかし、足は無様にふるえるばかりだった。一歩も動くことができない。
「触ったら、死にます……!」
「ええ、死んでくれても構いませんよ?」
 くくく、と貴族は笑った。
「ぼろぼろになった貴女の死体を担いで、国へ戻り、こういうだけです──『見よ、我らの愛しき王女は、野獣バルバロの群れに麗しき御身をむさぼり尽くされ、命を落とされた……この悲しみ、絶望、復讐をもって、王女の名の下にバルバロを滅ぼし、完全なる新王国を、害獣の存在せぬきよらかな我らの国を築き上げようではないか!』とね……?」
「……!」
「それが嫌なら」
 貴族の目に、嘲笑が浮かんだ。
「わたしとともに、来て頂きましょう。貴女を、野獣の森から救い出した私に感謝していただきましょう……そして、私を、貴女の夫とし、未来の……国王にしていただきましょう」
「そんなことできません」
 シェリーは震えながら首を横に振った。
「私は、もう、人間の世界には帰らないと決めたのですから」
「ならば」
 貴族の口元が、にやり、と吊り上がる。
「山探しをします。きっとこの近くのどこかに、バルバロの村があるのでしょう」
 悲鳴を上げてはならない、と分かっていた。だが、声を押し殺す前に、喉の奥から恐怖の呻きが漏れた。シェリーは蒼白になってかぶりを振った。
「ありません。そんなものは、こんなところにありません……!」
 貴族は喜悦にゆがんだ笑みを浮かべてシェリーの手首を掴んだ。恐ろしい力で、ぐいと引きずり寄せられる。
「きゃっ……!」
「バルバロの服を着ている貴女が、何を言ったところで信憑性のひとつもありませんよ……」
 喉元に、ぎらりと光る剣をそわせる。凍り付いたシェリーの表情が、血を吸い慣れてぬめるような輝きを帯びる剣の腹にまざまざと映し出された。
「ぁ……あっ……知りません……なんと言われても……私は、何も……」
 声が震える。
 貴族は、くくく、と満足げに肩を揺らした。おびえきって抗えないシェリーを嘲笑する。
「まさか、誇り高き王女が、バルバロの……性の奴隷になっていたなどと……民に知られたくはありますまい。見つけ次第、口封じのため、バルバロどもを全員、皆殺しにしてしまおうかと思いますが……よろしゅうございますね……?」
「い、いけ、ません……やめてください……それだけは!」
「なるほど、やはり”ある”のですね?」
 貴族は、得たりとばかりに凄絶な笑みを浮かべた。シェリーは、はっ、と声を呑んだ。
 口から出た言葉の意味に気が付く。
 バルバロの村など近くにはない、これは、たまたま通りすがったバルバロから手に入れたものだ、と苦しくも最後まで強弁していれば、まだ、村が近くにあることを認めたことにはならなかったものを。
 迂闊にもいまの一言で、間違いなく近くにバルバロの村があることを、この貴族、ルトベルクに確信させてしまった……!
「では……誓って頂きましょう……今、ここで」
 ルトベルクは、剣をシェリーの着る素朴なワンピースの胸に差し入れ、無惨に切り裂いた。
「いやっ……!」
「ふふふ、随分、成長なさったご様子」
 嫌悪と憎悪にどす黒くゆがんだ笑みをうかべて、ルトベルクはシェリーの胸を鷲掴んだ。残酷に絞りあげる。真っ白な乳房が、みるみる真っ赤に腫れ上がった。
「い、いやぁっ……痛い……やめてくださ……!」
「……さぞやバルバロと交尾しまくっていたのでしょうね……? あのけだものどもは、発情すれば何日間も女を犯し続けるといいますからね……王女、貴女はいったい何匹のオスをくわえこんだのですか……?」
「いやです、やめてください、離して……っ!」
 恐ろしい平手が飛んできて、シェリーの口をこっぴどく打った。何度も頬を打たれ、髪を掴まれて地面にたたきつけられる。
「きゃあっ……!」
「静かになさい」
 冷ややかに笑いながら、ルトベルクはシェリーのワンピースをすべてはぎ取った。手早く袖を引き裂いて、手首を縛り上げ、猿ぐつわをはめる。
「ううっ……うう……!」
 涙がぼろぼろあふれた。身体が、ぼろ切れになってしまったように思えた。ルトベルクにのしかかられ、ぞっとする形にいきり立った男のそれを掴みだしたのを見ても、動けなかった。
 嫌。こんなのは、嫌。助けて。
 叫びたかった。泣き叫んで、ルロイに許しを請いたかった。全部、わたしがわるいの。わたしが、ルロイさんのすべてを受け入れている、ってことをもっとはっきり伝えられていたら。
 でも、もし、助けを求めて。
 ルロイが……その叫びを聞きつけたら。
 ルロイなら、きっと、助けに来てくれるだろう。でも、ルトベルクは──剣を持っている。いくらルロイでも、あんな恐ろしい剣を持った相手に叶うわけがない。
 ぞっとする想像に、みるみる、全身の力が抜けていった。
 ルロイが殺されるぐらいなら。
 村の、みんなに、迷惑を掛けるぐらいなら。
 わたしなんて、どうなっても──
 ルトベルクが、欲望を突き入れようとした。シェリーは悲鳴を上げた。必死に身をよじってあらがう。
「動くな! 動くと、バルバロどもを殺すぞ!」
 身体がこわばった。胸をナイフでえぐられたような痛みが走る。もぎとられそうなほど乱暴に、足を押し開かれた。絶望の呻きが食いしばった歯の間から押し出される。
 涙だけがぼろぼろ、こぼれて。
 屈辱が、全身を押しつぶす。
 死にたい。舌を噛んで、死にたかった。
「ちっ!」
 入らなかったらしく、ルトベルクは口汚く吐き捨てて、死んだように横たわるシェリーの乳房を掴んだ。
 爪を立てられる。シェリーはあまりの痛さに身体をのけぞらせた。征服欲をかき立てられたのか、ルトベルクは再び残酷に哄笑し、のしかかった。シェリーはもがき、身体をのたうたせた。涙がとまらない。暴力の快楽にのぼせ上がったけだものは、シェリーの中に欲望の塊を突き立てようとした。
「……!」
 涙の向こうに、にやにやと笑うけだものの顔が見える。
 半ばあきらめかけたとき。
 今朝、言われたばかりのシルヴィの言葉が、雷鳴のように蘇った。

(すぐおどおどして。まるで狼に襲われる羊ね。もしかして、何されても怖くて言い返せなくて、されるがままなんじゃないの?)

 はっと我に返る。
 そうだ。シルヴィの言うとおりだ。
 こんな……
 こんな……!
 流されるがままじゃ、いけない!
 シェリーは、縛られた手で必死に地面をまさぐった。何か、何か、投げつけるもの……!
 手の中に、確かなガラスびんの感触が触れた。
 シェリーは悲鳴を上げるなり、ルトベルクの顔めがけてハチミツカエデのシロップびんをたたきつけた。音を立ててガラス瓶が割れる。シロップが飛び散った。べっとりとルトベルクの顔を汚す。
「っ! 何だ、これは……」
 ぺっ、と唾を吐いて目をこする。その隙にシェリーはけだものの下から逃れ出た。よろめきながら立ち上がる。
「逃がすか」
 ルトベルクは剣を掴んでシェリーを追いかけてきた。
 手を縛られ、猿ぐつわをされて、肌を守るワンピース一枚もない。それでもシェリーは森に向かって駆けだした。足を引きずり、息を必死に切らして逃げまどう。森に入れば、何とか逃げられるかも知れない。だが、そんなはかない希望すらも、あっけなく踏み散らされた。
 縛られた手が木の枝に引っかかったのだ。必死にもがく。だが、どんなに手を振り払っても、枝が執拗にからみついて、どうにもならない。
「う、ううっ……っ!」
 身体中傷だらけになりながら、全身の力を込め、枝を引きちぎる。安堵の吐息をあげようとしたとき、背後からルトベルクが襲ってきた。
「逃げられると思うなよ、このクソ売女が!」
 別人のように豹変した薄汚い罵倒が浴びせかけられた。
 腕を掴まれ、揺すぶられる。頬を何度も平手で打たれた。茂みに倒れ込む。どこからか唸るようなくぐもった音が聞こえた。羽音だ。ざわめきが大きくなった。
「ちっ……! 何だ、くそ、こいつ……どこか行け……!」
 涙でかすむ眼をあげる。ルトベルクは一人で踊るような仕草をしていた。シロップまみれの顔に蜂がむらがっていた。
 今のうちだ。シェリーは残された最後の希望にすがって起きあがった。恐怖にしゃくり上げ、傷だらけの足をひきずって逃げる。
「きさま……!」
 あちらこちら刺され、憤怒の顔をしたルトベルクが剣を振りかざした。闇雲に振り回す。
「止まらないと殺すぞ」
 怒号が響いた。
「どこへ逃げても無駄だ、見つけ次第、お前をかばったバルバロどもを皆殺しにしてやる。村を焼き尽くしてやる。草の根分けてでも必ず探し出してやるからな。森に火を放ってやる。メスもガキも全員殺す! お前の命と引き替えだ! 分かってるだろうな……分かったら、今すぐ、俺のところへ戻ってこい!」
 シェリーは絶句した。
 ついに、恐れていたとおりのことが起きてしまった。
 ルロイの、シルヴィの言ったとおりだった。自分のせいで、悪意を持った人間が、平和なバルバロの世界を──

 壊す。
 焼き尽くす。
 傷つける。

 もし、逃げたらみんなを──巻き込んでしまうことになる……
(ルロイさん……!)
 屈託のない笑顔が脳裏に浮かんだ。怒った顔。優しい顔。眼をきらきらさせた顔。さまざまな表情のルロイが浮かんでは消え、消えては浮かび──涙の向こうにかすんだ。